Case Study
現場スタッフの意見を最大限に活かした新ユニフォームにモデルチェンジ【株式会社京急ストア様】
株式会社京急ストア 様
現場で着る人の意見を最大限に活かした制服
東京、神奈川など首都圏を中心にスーパーマーケットを展開する京急ストア様。2018年度に85周年を迎えるにあたり約3,000名にのぼるスタッフの店舗制服を一斉にリニューアルされました。
制服へのこだわりやリニューアルのご苦労など、管理本部人事部人事担当マネジャー澤田様と同部人事担当サブマネジャーの丸森様にお話を伺いました。
リニューアルの経緯を教えてください。
澤田様 :
2017年10月に店舗制服をリニューアルしました。以前の制服は2004年から着用していていました。
デザインもだいぶ古くなってきたということと、2018年度が京急ストアの85周年迎える年でしたので、新しい制服で85周年を迎えたかったという思いがありました。
どのようなスケジュールで進行されましたか?
澤田様 :
本腰を入れ始め実際スタートしたのは2016年の7月くらいからです。
丸森様 :
そこから全従業員にアンケートを取り、要望や意見を集計して、4社コンペを行いました。2017年2月頃でしょうか。コンペには各店の様々な部門から代表者を出してもらって、実際に出席してもらいました。4社からのデザインを実際に見て、どれが良かったかを点数でつけてもらって集計した結果、一番人気が高かったのが今回決定させていただいたデザインです。
今回のリニューアルでこだわった点を教えてください。
澤田様 :
まず上司から言われたことは、実際に働いている人が着用したくなるようなものを作りなさいというところだったので、唯一こだわったのはその点でした。こちらが先導してこのデザインにしようということではなくて、本当に公正公平に従業員に選んでもらったというところですね。
新しい制服の評判は?
ダイイチを選んでいただいたのはどういう点だと思われますか?
丸森様 :
他社さんと違った部分をいうと、機能性をすごく考えていただきつつ、デザイン性が高かったということがあります。
従業員のアンケートの中でも、以前の制服はちょっと古めかしいという意見が多くありました。
みんなおしゃれなものが着たいという気持ちが強かったようで、一番デザイン性が高く機能的にも着やすそうだということで点数が入りました。
機能性が優れているということですが、具体的にどのような点ですか?
丸森様 :
生鮮部門用のコックシャツに、体毛落下防止のインナーネットが入っていたり、スラックスがボタンで裾上げできるようになっていたりする点です。
市川(ダイイチ) :
ボタンで裾上げができる股下調節機能は当社の特許です。
丸森様 :
従業員は10代から70代、男女比もバラバラで体形もまちまちです。ウエストはちょうどいいけれど、股下が合わないということが多く、テープで裾上げをするように指示していたのですが、どうしても面倒くさいので、みんな裾を切ってしまいます。一度切ってしまったスラックスを再利用しようとしても、次の人にとっては短くなってしまうというようなこともあり、なかなか在庫に回せないという問題がありましたが、股下調節機能がついたスラックスになってからは、この問題も解消され大変助かっています。
丸森様 :
お客様と直接お会いする従業員は、お客様から「以前の制服より若く見えるね」とお声をいただき、すごく喜んでいました。
制服がリニューアルされて、従業員さんの行動に変化はありますか?
澤田様 :
若々しくなった感じがします。制服が新しくなって綺麗に着ようと意識してくれるようになりました。
特に以前の男性シャツは、くすんだ色でアイロンをかけなくても着られるような生地だったので、洗いっぱなしという感じの人もいましたが、今の制服はちょっとパリッとした生地のものなので、ちゃんとアイロンをかけて着てくれるようになりました。
着用について指導をされているのですか?
丸森様 :
アイロンをかけるところまでは指導はしていないのですが、個人で洗濯をする、ボタンはちゃんと上まで閉めましょう、腕まくりはやめましょうというような着方の指導はしています。
以前もそういう指導はしていたのですが、みんな長く着ていたため、なんとなく汚れていても気にならなくなってきていて、だらしない感じで着ている人もいました。新しくなってからはみんなシャキッと着るようになりました。
これが続けばいいなと思っています。
リニューアルの過程でご苦労された点などありますか?
丸森様 :
とにかくスケジュールがタイトだったことですね。また、従業員全員の意見を反映させるのが大変でした。いかに折衷案を探るというか、全員が納得できるようなものにするかというところですね。今も貸与枚数や、汚れの交換といった点で、私たち運用側の方でまだまだ課題は残っていますが、まずは、着やすさという面では多くの従業員が納得できるものができたかなと思っています。
市川 :
そうですね。本当は最初にサイズ取りなどをしたかったのですが、約3,000人近くいらっしゃるのでそれをやっている時間もなく、とりあえず今ある商品をお借りして、そのサイズに合う物で作るというような感じでやっていくしかありませんでした。しかし、パターンを作っていく上で、若干のサイズの誤差が生じてくるので、サイズ交換など、納品後も結構大変でした。
丸森様 :
わりと体の大きい人も多くて、以前はサイズがないので自前で何か用意してくださいというようなやり方をしていたのですが、今回はダイイチさんに採寸していただいて、その人専用の大きめサイズなども作っていただきました。
今後のご要望と制服を導入される会社へのアドバイス
今後どのようなご要望がありますか?
丸森様 :
今は在庫を多少持つことができているのですが、今後はそれもスペース的に難しくなる社内事情がありまして、ダイイチさんの方で中古管理と新品管理をしていただいて、社内に制服在庫は一切持たない予定です。来年末以降は在庫管理や、中古品の運用というものもダイイチさんにすべてお任せしようと、今ご相談させていただいています。もう丸投げですよね。
市川 :
丸投げしていただけるとありがたい。そこまでやらせていただけるのであれば、トータルで動きができます。現状ではお客様のところにどれだけ在庫があって、どれくらい用意をしなければいけないのかというのが読めないので、実績が取りにくい部分もあります。運用を当社にお任せいただけると、だいたいこのくらいの時期にこのくらい出る、どのサイズの着用が多いなどの統計が取れてきますので、生産計画が立てやすくなるんです。そうすると、在庫の欠品などが起こりにくくなり、精度の高い形でご案内できるようになると思います。
ダイイチに対してどのような印象をお持ちですか?
丸森様 :
とにかくスケジュールがタイトだったのでよくむちゃぶりを聞いてくださったなという思いですね。
他社さんと比較してはいけないのですけれども、ダイイチさんが一番こまめにご連絡をいただきつつ、ご相談をさせていただきつつ、こちらのわがままを聞いていただけました。導入して終わりではなくて、それを長く着続けていくという面で、安心してお願いできる会社さんだなと思っています。ダイイチさんで良かったなと思っています。
これからリニューアルをされる方へのアドバイスなどありますか?
丸森様 :
従業員の意見をアンケートでとり、投票で決めたことが良かったと思います。私たちの一存で決めてしまうと、どうしても、現場にいないのになんでこれにしたんだ、どうやって決めたんだという話が出てくることもあります。現場で着る人の意見を最大限に活かすことで、みんなに納得してもらえました。
反省点としては、もう少し時間に余裕を持ったスケジュールを組みたかったという点です。できあがったものを実際着てみると、思っていたのと違う部分が出てきて微調整が必要な部分がどうしても出てきてしまいます。市川さんからもご提案いただきましたが、何店舗かで試験運用として何週間か実際に着てもらって、最終的な微調整ができるとより良かったのかなというのは思うので、今後リニューアルを予定している会社さんは、できるだけ余裕を持って、スケジュールを取っていただくと良いのではと思います。
新しい制服は、京急電鉄のマスコットキャラクター“けいきゅんR”も着てチラシなどに登場しています。