コラム

作業着で安全性を高めるためにできることとは?

はじめに

作業着には、さまざまな役割があります。

その中で、最も重要な要素の一つとして、着用者の安全を守ることです。

特に危険が伴う、建築・工事現場、工場・製造現場での作業着は、着用者の安全を第一に考えるべきでしょう。

しかしながら現場の着用者のなかには、作業着の安全性を十分理解しないまま着用している方も少なからず見られます。

また、現場で使用する道具や機械などは、より作業効率が良く安全性が高いものを新しく導入しているのにも関わらず、作業着に関しては何十年も同じものを着用しているケースもあります。

残念ながら、これでは着用者に作業着の持つ安全性は伝わりません。

現場で使用する道具や機械同様に、作業着もより動きやすく、安全性が高いデザインや素材が次々と投入されています。

この機会により安全性の高い作業着について検討してみてはいかがでしょうか。

作業着は現場の環境に合わせたデザインを選ぶ

安全性について考慮したとき、作業着はすべて同じデザインや素材になるわけではありません。

それぞれの作業現場に適した安全性を高めるデザインや素材を選ぶことが大切です。

例えば、工場作業員など頭髪または被服が機械に巻き込まれるおそれのある業種においては、労働安全衛生規則110条により「事業者は作業員に作業着・作業帽を着用させること」が義務付けられています。

これに違反すると、6ヶ月以下の懲役または50万以下の罰金が適用される場合もあります。

厳しいようですが、それだけ事業者は作業員が怪我や事故のないように気を配る必要があるのです。

①暑い環境での作業着



真夏のアスファルトの温度は約50〜60℃。

猛暑日はさらにこの数値を超えることも珍しくありません。

そんな過酷な環境下で働く建設作業員の熱中症による死亡数は、以下のように他の職種より多くなります。

暑い環境での作業着は、単に露出する部分を多く薄着にすれば解決するというわけではありません。

むしろ、腕や脚を怪我から防ぐため半袖などの露出する服は禁止し、軍手やグローブの着用を求める業務が多いはずです。

そのため、使用するデザインや素材を工夫して暑さから身を守る必要があります。

例えば、触れた時に冷たく感じる接触冷感素材や通気性の高いメッシュ素材などを使用した作業着は、着用者へ負担が軽減される人気の素材です。

また、服の内側に向かって風を送り込むファンが付いたデザインのファン付きウエアも作業着内に熱がこもりにくくなり、快適さを感じられます。

猛暑日の最高温度や継続日数の記録が更新されることが多い近年では、こういった作業着への配慮が求められます。

②高所環境での作業着

2019年2月以降、建築現場など一定の高さ以上での作業者には、フルハーネスの装着義務化が進められています。

一定の高さ以上とは、基本的には6.75m以上、建設業の場合には5m以上の場所が該当します。

フルハーネスは通常の作業着の上からでも装着可能ですが、これはあくまでも安全性だけしか考慮されない場合です。

通常の作業着の上にフルハーネスを装着すると「ハーネスの当たる部分が擦れてしまう」「着用しづらい」「ポケットがハーネスに重なり使えない」など、作業効率面で不便な点が出てきます。

安全性だけではない快適さや作業効率を含めた作業着を求めるのであれば、現在のフルハーネス対応の作業着へ移行することをおすすめします。

③動きの多い環境での作業着

運送業など動きが多い環境での作業着には、長時間の運転や荷物の上げ下ろしといった行動パターンを熟知してデザインや素材を選ぶのが賢明です。

ハードな動きに対応できるような伸縮性に優れたストレッチ素材やドライ感が持続する吸汗速乾素材などがよく採用されています。

さらに作業が困難になる雨天時は、作業員の負担を軽減させる撥水性や防水性のある合羽など雨天時用作業着の提供を視野に入れると良いでしょう。

天候によって起こる時間のロスや作業員のストレスの軽減にもつながります。

そして何より大切なのは、遅い時間帯や暗い場所でも安全に作業できること。

従業員の命を守る上で、周囲からの視認性の高さも重要視しなくてはいけません。

④火の粉が発生する環境での作業着

溶接業は作業場で火の粉が発生したり、高温のスパッタ(飛散物)が飛んできたりと常に安全に気を配らなくてはなりません。

作業着はこれらのものから火傷や炎症を防ぎ、作業員の身を守るための大事なもの。

綿100%や人工的に燃えにくい難燃素材、高熱の環境でも溶けにくい耐熱素材などが主に使用されています。

さらに製造工程では、腰をかがませたり、上向き横向きなど姿勢の変化を必要にしたりと動きやすさも重要になります。

他の作業着と比較するとコストはかかりますが、難燃性や耐熱性に伸縮性も兼ね備えたものを選ぶと安全かつ作業に集中できるでしょう。

まとめ

作業着は作業現場で、危険を回避し身体を守る大切なものです。

特に危険を伴う業務では、事業者も着用者も作業着の役割について理解を深める必要があります。

「作業着=会社のユニフォーム」程度の認識しか持たないまま着用し、現場で作業することは大変危険です。

もしそのような傾向があるのならば、ミーティングや新入社員のオリエンテーションで作業着の大切さについて確認し合う機会をつくることが必須でしょう。