コラム

製造工場における作業着の快適さが必要な理由と選定ポイントの解説

はじめに

製造業の工場では基本的に立ち仕事が多く、機械の前で作業しています。
製造ラインや事務職、管理者なども同じ作業着を着用して仕事をしているものです。
ただ、工場勤務では作業者へのさまざまな観点から快適な作業着が必要であり、選定にも注意が必要となります。
そこで、製造業の工場勤務における作業着に快適さが必要な理由とその選定ポイントをみていきましょう。

工場の作業着で快適さが必要な理由

工場の作業着には快適さが必要です。
その理由を順にみていきましょう。

①作業効率の低下を防ぐ

工場での作業は生産性を高める必要があります。
作業効率を向上させていかなければなりませんが、実際には現場のカイゼン活動に力を入れていくことが重要です。
しかし、作業者にとって作業効率が上がらないのは何も設備や製品、スキルの差だけではありません。
それは動きづらい姿勢や暑苦しい環境など、普段の作業にまつわる要因が他にもあるからです。
作業効率の低下を防ぐのは作業着でも改善可能です。
動きやすくて涼しい素材など、作業性を高める作業着は現場からも好評価を得やすくなるでしょう。

②安全性を高める

工場ではさまざまな機械が稼働しており、衣類の巻き込まれを防ぐために労働安全衛生法で作業着の着用を義務付けられています。
動きやすくて丈夫な作業着は安全性を高めるだけでなく、職場の安全意識を高める効果もみられます。

③事務系管理者にも統一感を持たして疲れにくい素材がベスト

工場では製造ラインに入っている現場作業者が多いですが、品質保証や生産管理などのスタッフや事務職、管理者などのデスクワークも大事な仕事です。
ただ、生産性を生み出す現場が優先されることも多くあり、組織として統一感を出すためにも作業着は重要です。
また、デスクワークは足腰や首、肩に負担がかかります。
現場と同じ作業着も大事ですが、デスクワークの負担が軽減する快適な作業着も必要といえるでしょう。

工場での作業着の選定ポイント

工場での作業着の選定ポイントをみていきましょう。

①動きやすさ

まずは動きやすさ(機能性)です。
現場の作業者はさまざまな動きをします。
1台の機械のみで作業する場合もあれば、複数の機械を操作しなければならない仕事もあります。
組付けのように中には力のいる作業もありますし、段取りなどでは窮屈な姿勢で作業を継続しなければならないことも多々あるものです。
そのような場合、動きやすい作業着だと作業効率も上がりますので、生産性も向上することでしょう。

②体感温度を維持

作業エリアによっては体感温度が違う場合があります。
工場全体の温度管理を27℃~28℃に設定しても、作業内容や環境によっては大きく異なるものです。
たとえば熱処理では炉の近くで作業していると暑さはけた違いですし、耐熱用の作業着を着用しているので余計に体感温度は上昇してしまいます。
少しでも体感温度を維持できる素材やファンなどのパーツを着用できる作業着が必要となっていきます。

③耐油性に優れている

工場では潤滑油やスピンドル油、防錆油、ギアオイルなど、さまざまな油を使用しているものです。
油性だけでなく、水溶性のクーラントを使用するエリアではミストが蔓延することもあります。
それだけに作業着にも耐油性に優れた素材が必要です。
汚れが付着しやすく、乾きも遅くなり、肌に密着してしまいがちです。
作業者によっては油で肌荒れを引き起こす場合がありますが、普段は大丈夫でもそれを防ぐためにも高い耐油性を誇る作業着が求められます。

④汚れが落ちやすく繰り返しの洗濯でも崩れない

工場の作業着は汚れが目立ちやすいもの。たとえ毎日クリーニングに出したとしても、油汚れで真黒な作業着は不衛生に感じられます。
会議やミーティング、QCサークル活動などで現場を離れる場合、環境的に現場は汚れやすいと分かっていても、周囲の評価は芳しくありません。
特に監査や見学、来客での対応も必要な場合、作業着が汚れているのはマイナスのイメージを持たれてしまいます。
そこで、工場の作業着では汚れが落ちやすい素材が好まれます。
また、毎日クリーニングに出している場合でも、型落ちせずに何度も繰り返して洗濯できる作業着は長い目でみてもコスパに優れています。

⑤作業環境や時期によって異なる場合はオーダーメイドだと変更しやすい

作業着は組織全体の統一感を持たすために揃えるのが主流ともいえます。
ただ、職場環境でどうしても同じでは作業効率が悪くなることも考えられるでしょう。
また、部署が機械に囲まれて冷房が効きづらい場合、もしくは冷房直下で効きやすい環境、完全に外気の影響を受けてしまう環境での作業など、時期によって暑さや寒さが作業エリアで異なるものです。
一律の作業着になると不公平感が出てしまいます。
そこで、夏場でも少し寒い環境の場合は冬用の長袖だと暑過ぎて半袖だと寒いのに対し、少し薄い長袖の作業着があれば解決できます。
また、冬場の作業でも半袖だと寒すぎて、冬用だと動くたびに体感温度が高くなって暑くなってしまう作業者もいるでしょう。
これを薄手の長袖にすることで。体感温度もそれほど上がらずに作業効率も落ちません。さらに、外気温の影響を受けやすい場合、冬には防寒着にもなるような温かい素材も好まれます。
作業着を一律にすると作業環境によって作業者たちの不平不満が高まります。普段の作業着もオーダーメイドにすることで、作業環境が変わっても必要な枚数だけ常時取り寄せることが可能となるでしょう。

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まとめ

製造業の工場勤務には、作業効率の低下を防いで安全性を高めて統一感を図るためにも、作業着の快適さは重要な課題です。
工場での作業着の選定ポイントとして下記が挙げられます。

・動きやすい
・体感温度の維持
・耐油性が高い
・汚れが落ちやすく繰り返し洗濯可能
・作業環境で変わるので一律にしない


ここで挙げた選定ポイントを満たすために、現場の製造ラインや管理者などのデスクワーク組にも不平不満が上がらないように、オーダーメイドで職場環境の違いにも対応できる作業着を導入するようにしましょう。