【2025最新版】トラック運転手におすすめの作業着|安全確保・法改正まで解説

トラック運転手の労働環境を数字で確認
長時間運転に加え、積み込み待機が平均1時間34分/運行と報告されるなど、トラックドライバーは拘束時間が長く、腰痛・夏場では熱中症リスクが高い職種です。
厚労省の東京労働局データによれば、陸上貨物運送業で最も多い労災は「動作の反動・無理な動作(腰痛災害)」252 件です。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/kyoku_oshirase/roudou_kijun/rikuun2023_00001.html
さらに学術的な調査では、過去1か月以内に腰痛を経験した運転手は50 %を超えます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu1995/3/1/3_1_49/_article/-char/ja/
こうした背景から「安全・作業性」は担保しながらも、「身体への負担を軽減できる」を両立する作業着の重要性は増しています。
次章では、労働環境と法改正をリンクさせながら解説します。
法規制アップデートに注意
2025年6月1日から熱中症対策が「義務化」
2025年6月1日に施行される労働安全衛生規則の改正により、暑さ指数(WBGT)の測定と具体的な熱中症対策がすべての事業者に義務化されました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250316/k10014750991000.html
違反した場合は、労働基準監督署から是正勧告が出され、改善が認められないと罰則(労働安全衛生法119条など)の対象になります。WBGT を下げる手段として、空調服・冷却ベストなど「熱中症防止ユニフォーム」は比較的に導入しやすい対策でしょう。
熱中症に関しては、以下のコラムで解説していますので、ぜひご覧ください。
https://www.un-daiichi.co.jp/news/5381/
トラック運転手の拘束時間上限【2024年問題】
熱中症対策以外にも、2024年4月からトラック運転者にも時間外労働の上限規制(年960時間)が適用され、改善基準告示は1日の拘束時間13時間(原則)、月284時間など細かなルールが定められました。
- ・時間外労働は年960時間が上限
- ・1日の拘束時間は原則として13時間とし、最大でも15時間まで
- ・休息期間は運行終了後、継続して11時間(最低9時間)を確保する必要
待機や荷役作業で生じるムダを減らすには、まずユニフォームを見直すことをおすすめします。たとえば、高視認性素材にストレッチ性と多機能ポケットを備えたウェアなら、夜間誘導や荷積みの際も動線に無駄がなく、作業中のロスを軽減できるでしょう。
加えて、ファン付きなどの暑さ対策のある作業着であれば、真夏でも暑さへのストレスを軽減できるため、休憩以外の作業中断数を最小限に抑えることができます。
参考:https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/notice
トラック運転手の作業着に必要な機能と選定ポイント
高視認性(夜間事故防止)
高視認性安全服とは、蛍光生地+再帰性反射材で360°全方向からの視認性、運転手や作業者の安全を確保する保護服です。国内では JIS T 8127:2020 がクラス1〜3を規定し、ISO 20471と整合しています。
選び方
- ・夜間作業がある場合はクラス2以上(一般道60 km/h以下を想定)にすること。
- ・購入時は、「洗濯後も輝度基準を満たすか」を試験成績書で確認すること
(反射材は洗濯耐久試験後も輝度保持が要件) - ・ベスト+パンツの上下セットで面積を満たせば、単体より高いクラスに格上げできる
事例:中央運輸株式会社
「ユニフォーム刷新にあたり、再帰反射材を大胆に配したジャケットを採用しました。従業員120名へのアンケートで「夜間でも遠くから認識しやすい」「清潔感が上がった」と高評価を得ることができました。」
顧客の体験談|中央運輸株式会社

暑さ対策(熱中症防止)
先程も少し触れましたが、厚生労働省「職場における熱中症予防対策マニュアル」において、WBGT(暑さ指数)が28 ℃を超える場合、送風服・冷却ベスト等の活用が推奨されています。
選び方
- ・ファン付き空調服は、軽量リップストップ生地、できるだけ大型バッテリー(8時間相当)を選ぶこと
- ・風路を妨げないゆったりとしたシルエット、および首元まで気流が到達する設計の作業着を選ぶこと
- ・袖口の調節が可能な半袖/ベストタイプにして、運転時に邪魔にならないようにすること
導入事例|熊野輸送株式会社
「先日、荷主さん主催の全国ドライバーズコンテストがあったのですが、そのときに、「熊野さんユニフォーム変えたんだね、これどこの?いいね!」と言ってもらえました。あとは、従業員のモチベーションが上がったことですね。当然荷主さんのルールで指定された作業着しか着てはいけないのですが、以前の作業着の時は、ごく稀ではありますが洗濯したものが乾かなかったとか、時間がなかったなどと言い訳をして、下に指定外のものを履いたりする人もいましたが、新しいユニフォームにしてからはそういうこともなくなりました。」
顧客の体験談|熊野輸送株式会社
腰部サポート(腰痛対策)
労働者の腰部負担軽減を目的として、伸長率20%を超えるストレッチ生地と腰椎サポートベルトが一体化された商品が開発されました。長時間の運転で懸念される腰への圧迫を緩和するだけでなく、荷役作業時には、しゃがみ込みやすいなどの効果があります。
選び方
- ・裾から腰部にかけて立体裁断を施した「カーブドカッティング」を選び、前傾姿勢における衣服の突っ張りを軽減すること
- ・ベルトは着脱式ではなく、「内蔵型と外側ゴムサポート」構造にすることで、ズレを防止すること
- ・ニーパッドポケット付きのタイプを選択し、膝をついた荷役作業時の負担を軽減すること
導入事例|シンコーハイウェイサービス
「私服に合わせやすいネイビー系をベースにしました。スカートとの組み合わせも想定したデザインです。着用を開始してからの評判も良いです。外出時や通勤に着ている社員もいますが、社名ロゴがさりげないので、背中に入っていることを後で知った人もいるようです(笑)。」
顧客の体験談|株式会社シンコーハイウェイサービス
トラック運転手のおすすめ作業着|代表的モデルと機能
ここでは、トラック運転手向けユニフォームの中でも「安全・快適・生産性」を支える代表的な4モデルを、わかりやすくご紹介します。各モデルの主な機能や適した使用シーンを整理して紹介してるため、「どれを選べばいいのか迷っている」という担当者でも、自社の現場に合う一着がすぐにイメージできます。

トラック運転手向け作業着の特徴
E780 高視認ブルゾン
・360°視認性:胸・袖・背面に50 mm幅の再帰反射テープが配置されている
・制電&撥水:制電糸入りタフタで静電気火花を抑え、急な雨でも水を弾く
・ストレッチ構造:背中メッシュベンチ+脇ストレッチで長距離運転も快適
・セットアップ可:同シリーズのパンツと組み合わせれば、クラス3まで格上げ
9207 高視認空調ブルゾン
・強力送風:腰左右ファン→背中→首元へ抜ける立体エアダクトで体感温度が下がる
・保冷剤ポケット:背面に19.5 × 12 cm保冷剤を装着でき、WBGT対策になる
・軽量リップストップ:引き裂き強度に優れ、8 時間駆動バッテリー
・撥水・高耐久:250回洗濯後も撥水90点(JIS L 1092B法)を維持できる
AZ7896 腰サポートパンツ
・一体型ベルト:骨盤を締めて脊柱起立筋への負荷を分散(メーカー試験で腰部圧力-15 %)
・2WAYストレッチ:伸長率20 %超の二重織+コーデュラ混で摩耗強度6倍
・立体裁断:カーブドカッティングで前傾姿勢や乗降時のつっぱりを軽減
・多機能収納:フラップ付きカーゴ&ツールループで小物を即取り出し
AZ56310 防寒高視認ブルゾン
・三層保温:赤外線反射アルミ裏地+中綿80 g/㎡で体温をキープ
・防水・防風:耐水圧10 000 mm/透湿5 000 g+袖口リブ&裾ドローコード
・360°反射:JIS T 8127とクラス2満たす反射帯を全周に配置
・機能的ポケット:脱着フード、左袖パスケース、大型内ポケットで冬場の小物管理に便利

まとめ
トラック運転手の作業着は、「視認性(事故防止)」「快適さ(熱中症防止)」「身体への負担軽減(腰痛対策)」の要素を満たすように設計・導入しましょう。労災統計でも、腰痛や視認不良による事故が多くなっています。本コラムを参考に、自社の現場に合ったユニフォーム選定と計画的な作業着のリニューアルをご検討ください。