熱中症対策の法改正|意識調査から紐解く、現場が求めるユニフォーム

株式会社ダイイチでは、猛暑が常態化する近年の労働環境において屋外や高温環境で働く人々の熱中症対策が急務であると考え、2025 年 5 月 29 日にウェブアンケートによる意識調査を実施しました。
本調査は建設業・製造業・運送・輸送業・電気・ガス・水道業に従事する 30 代~50 代の正社員および経営層 300 名を対象とし、ユニフォームで実施されている熱中症対策の実態と備えについて明らかにするものです。調査結果を引用する際は【ダイイチ調べ】と表記してください。
項目/内容
・調査概要:ユニフォームで実施している熱中症対策の実態と備えに関する意識調査
・調査期間:2025 年 5 月 29 日
・調査方法:Web アンケート
・調査対象:建設業、製造業、運送・輸送業、電気・ガス・水道業に従事する 30 代〜50 代の正社員および経営層
・回答数:300 名
ダイイチが実施した熱中症対策の意識調査と対策のヒント
「知らなかった」では済まされない、求められる“熱中症対策”とは?
猛暑が常態化する近年、屋外や高温環境で働く人々にとって熱中症は命に関わる深刻なリスクです。2025 年 6 月には労働安全衛生規則が改正され、熱中症対策が企業の義務となりますが、現場では「どんな対策をすべきか」「社員に本当に効果があるのか」といった戸惑いの声も多く聞かれます。
ユニフォームのダイイチでは熱中症対策に取り組んでいる 300 名を対象に意識調査を実施し、その実態と課題、今後の方向性を明らかにしました。本資料では、調査結果をもとに企業の対応状況を読み解くとともに、ユニフォーム選びのポイントや対策準備のヒントを紹介します。
アンケートで見えた企業の熱中症対策の実態と課題
現在導入している熱中症対策商品について尋ねたところ、「水分補給グッズ(飲料・塩飴など)」が 45.7 %と最も多くの回答を集め、冷却インナーやネッククーラー、ヘルメットインナーなど身体を冷やすための補助アイテムも多く導入されています。
一方、ファン付きウェアや冷却装置内蔵のペルチェウェアは導入している企業が限られ、導入コストや運用の手間が壁になっている現状が見えました。
熱中症対策は健康管理を目的に導入、経営課題としても認識
企業が熱中症対策商品を導入する理由として最も多かったのは「健康管理のため」で、全体の 76.33 %が挙げました。続いて労働災害対策や生産性維持、従業員満足の向上などがあり、熱中症対策が経営課題としても認識されていることがわかります。
コストや使用率の課題と使われる仕組みづくり
導入に際しては「導入コストが高い(43.3 %)」といった声が最も多く、続いて「維持費・ランニングコストがかかる」「従業員の使用率が低い/使ってくれない」「効果が実感しにくい」などが挙げられました。
せっかく購入しても着用されずに無駄になる懸念もあり、コストに見合った効果や従業員に受け入れられるデザイン・機能を検討するなど、単なる導入にとどまらない“使われる仕組み”づくりの重要性が浮き彫りになっています。
これからの熱中症対策と法改正への備え
法改正による対策拡充を検討する企業
現状の対策だけでなく、「今後、さらに導入・拡充を検討している」と回答した企業は 49.0 %と全体の半数近くにのぼり、法改正を前に多くの企業が既存の対策を見直す必要性を感じていることがわかりました。一方で「予定はない」「分からない」といった回答も一定数あり、企業ごとに温度差が存在します。
ウェア型対策など、現場に適した製品選定
導入・拡充を検討している商品では「ファン付きウェア(空調服)」が 55.56 %と最も多く挙げられ、続いて冷却タオルやインナー、冷感素材を使用したユニフォーム、飲料や塩分補給セットが関心を集めています。従来の水分補給中心の対策から服装や装着アイテムによる物理的な体温調整へとニーズがシフトしており、作業環境や動線、着脱のしやすさ、洗濯頻度など現場に適した仕様を見極めながら製品選定を進める姿勢も見受けられました。
法改正の認知度と対応意向
2025 年 6 月に施行される労働安全衛生規則の改正では、暑熱環境下での作業者に対して服装の調整や冷却装置の提供などが企業に義務づけられます。「知っている」と回答したのは全体の 37.3 %にとどまり、過半数以上の企業が法改正の内容をまだ正確に把握していないことが明らかになりました。
失敗しない熱中症対策ユニフォームの選び方と導入のコツ
選ばれる熱中症対策ウェアの条件とは?
企業が暑熱対策商品を選ぶ際にまず重視しているのは「冷却効果・体感温度の低下(63.67 %)」であることが明確になりました。次いで「着心地・動きやすさ(50.33 %)」が高く、多くの企業が“実際に涼しく感じられるか”と“快適に動けるか”の両立を求めています。軽量性やコストパフォーマンス、メンテナンス性なども一定の関心を集めており、現場での使いやすさが重視されている様子がうかがえます。
調査結果から紐解く熱中症対策ウェア
今回の調査では、企業が導入している熱中症対策商品として最も多かったのは水分補給グッズ(飲料や塩飴)であり、身体を冷やす補助アイテムとして冷却インナーやネッククーラーなどが続きました。
しかし導入・拡充を検討している商品では空調服(ファン付きウェア)が55.56 %で最も多く、ペルチェウェア(冷却プレート付きウェア)や冷感素材のユニフォームなどウエア型対策への関心が高いことが分かります。このトレンドは、従来の水分補給中心の対策では暑熱環境下での体温調整が十分ではないと感じている企業が多いことが背景にあります。
導入理由は、従業員の健康管理が76.33 %と突出しており、熱中症対策が経営課題として認識されていることが分かります。一方、導入のネック要因は「導入コストが高い」「維持費がかかる」「従業員が使ってくれない」などが挙げられました。
次の章では、これまでの調査結果から紐解き、「具体的にどのような製品を導入、検討すれば良いのか?」という視点から、ダイイチが提供している熱中症対策の製品を見ていきましょう。
熱中症予防におすすめのユニフォームとアイテム
調査結果で企業が重視する機能として冷却効果や着心地が挙げられました。こうした要件を満たす熱中症対策ウェアの選択肢として、ダイイチのカタログには以下のようなユニフォームとアイテムが紹介されています。
SDGs配慮素材を用いたアルミコーティングウェア
カタログの表紙で取り上げられているベストは、リサイクル素材や自然由来の資材を組み合わせた生地に裏側アルミコーティングを施し、マイナス11 ℃(着用前との比較)という高い冷却効果を実現しています。ファンモーターやバッテリーは小型で、作業時の動きを妨げにくい配置になっており、保冷剤などを使わずに熱を逃すことができる点が特徴です。SDGsに配慮しつつ冷却効果と軽さを両立しているため、屋外作業や運転時にも着用しやすいアイテムです。

ペルチェクーラー内蔵ベスト
冷暖両用のペルチェデバイスを背中に内蔵したベストは、夏は冷却・冬は温熱の切り替えが可能で、通年使用できます。八角形や四角形の薄型プレートが直接背中に接触することで体表面を効率よく冷やし、モバイルバッテリーで駆動するためランニングコストを抑えられます。ハーネスの上からでも装着できるデザインで、軽作業から建設現場まで幅広く対応できるのが魅力です。

ストレッチメッシュ素材のアイスパックベスト
ムレにくいストレッチメッシュ素材を採用したアイスパックベストは、胸や脇、背中など体のラインに沿ってポケットが配置されており、付属のアイスパックを装着して冷却します。軽量で動きやすく、アイスパックは3個付属しているため連続使用時間を伸ばせます。身体にフィットするため現場でも邪魔にならず、洗濯や着脱が容易なのも導入しやすいポイントです。
本章で紹介した製品は、調査で多くの企業が検討していたファン付きウェアや冷却インナーへのニーズに応えるものであり、温度管理・快適さ・コストのバランスが取れたラインアップです。
調査では、今後の対策拡充を検討している企業が半数にのぼる一方、法改正を「知らない」または「よく知らない」企業が過半数を占めました。カタログに掲載された製品群は、改正後に求められる服装の調整や冷却装置の提供を視野に入れたラインアップであり、企業が早期に対策を準備する上で有力な選択肢となります。
最後に、商品を選ぶ際に重視されるポイントとして冷却効果や体感温度低下が最も高く、次いで着心地・動きやすさ、軽量性、コストパフォーマンス、メンテナンス性などが挙げられました
。カタログの製品はこれらの要件をバランスよく満たすものが多く、さらにSDGsを意識した素材の使用や、モバイルバッテリー併用によるランニングコスト低減なども提案されています。調査結果を踏まえ、熱中症対策ウェアを選定する際は、「現場で本当に使われる」ユニフォームを重視し、従業員が自発的に着用したくなるデザインや機能、アフターサポートを考慮することが成功の鍵と言えるでしょう。

ダイイチのユニフォームを導入したお客様の声
熱中症対策ウェアの効果を実感するには、実際にユニフォームを導入した企業の声に学ぶことも重要です。ここではダイイチが手掛けたユニフォームを採用した2社の事例を紹介し、導入の背景と導入後の感想を簡単に紹介します。
株式会社トヨタレンタリース神奈川様 |選択肢の多さでモチベーション向上
レンタカーやカーリースを展開する同社では、従来の全国統一ユニフォームがメーカーの受注終了により調達できなくなったこと、ジェンダーレスや個性尊重といった社会の変化が進んだことを受け、ユニフォームのリニューアルを決めました。
新ユニフォームでは「自由に、楽しく、快適に」という理念のもと、シンプルなデザインで働きやすさを第一に考え、ペン収納ベストや業務用携帯用ポケットなど実用的な機能を取り入れています。また、社員の意見を反映するために社内アンケートを実施し、多くのサンプルから選定する方式を採用。色や素材、UV対策などを含む多くの選択肢を用意し、従業員がその日の業務や気分に合わせて組み合わせを選べるようにすることでモチベーション向上を図りました。
導入後は「軽くて着やすい」「ユニフォームのように見えないので通勤時も抵抗がない」といった評価が寄せられ、色やアイテムを自分で選べることが好評です。レンタル方式にしたことでサイズ交換や消耗交換がしやすく、必要なアイテムだけを貸与できるため経費節減にもつながっています
株式会社ブライト様|トラックと調和するスタイリッシュな新ユニフォーム
首都圏で物流サービスを展開するブライト様は、2008 年の社名変更でロゴマークが新しくなり、従来の薄いグリーンの作業服が会社のイメージに合わなくなったことを機にユニフォーム刷新を検討しました。
新ユニフォームではロゴやトラックのカラーに調和するデザインを重視し、シルバーとブラックの配色を採用した格好良いスタイルに仕上げています。デザイン検討では当初イメージのすり合わせに苦労しましたが、チームで意見を集め、ダイイチと何度も商談を重ねることで、会社のイメージに合ったユニフォームを完成させました。
導入後は「ドライバーが若々しく見える」「動きやすくて素材は薄いのに暖かい」といった声が寄せられ、高齢のドライバーでもスタイル良く着こなせると評判です。新しいユニフォーム姿を掲載したホームページのリニューアルにより求人への問い合わせも増え、会社のイメージアップにつながっています。
本章では、ダイイチのユニフォームを導入した企業のお声を一部紹介しました。熱中症対策ウェアを選ぶ際のポイントも同様に、働きやすさやデザイン性、アフターサポートを含め、現場の声を反映した導入が従業員満足度の鍵となります。
まとめ
法改正が実施され、熱中症対策は今や“待ったなし”の経営課題です。調査からも、多くの企業が対策に前向きである一方、「何を選ぶか」「どう浸透させるか」で悩みを抱えている実態が見えてきました。鍵となるのは「現場で本当に使われるユニフォーム」を選ぶことです。通気性や冷感性、軽さやストレッチ性といった機能はもちろん、着用率を高める工夫や導入後のサポートも含めて総合的な視点が求められます。当社では業種や環境に応じた高機能ユニフォームを多数用意し、導入から運用までトータルで提案しています。「どこから始めるべきか分からない」と感じている方も、ぜひお気軽にご相談ください。