コラム

作業着で実施できるサステナブルな取り組みとは?

はじめに

上場企業など、社会的責任を求められる企業は、年々サステナブルな取り組みを強化しております。

SDGsという言葉は多く耳にするようになりましたが、ゼロカーボン、サーキュラエコノミーなど、環境に関連したキーワードを耳にすることも多くなってきました。

作業着など企業ユニフォーム全般においても、導入する企業側でも取り組めるサステナブルな取り組みが多数あります。

環境に配慮した素材やデザインを用いた作業着の製造や、リサイクル素材の使用による廃棄物の削減など、さまざまな取り組みが進められており、年々進化しております。

この機会に、作業着で行われているサステナブルな取り組みについて知り、新規購入やモデルチェンジの際に検討してみてはいかがでしょうか。

作業着におけるサステナブルな取り組み例

作業着のサステナブルな取り組みには、製造工程での環境に配慮した取り組み、再生素材や植物由来の原料の使用、そして使用後の作業着の廃棄方法などがあります。

これらを組み合わせることで、より環境にやさしい作業着を作ることができます。

作業着を選ぶ際には、その商品が環境や社会に対してどのような取り組みをしているかにも目を向けると良いでしょう。

環境や社会に配慮したサステナブルな商品を増やす、大切な一歩となります。

①製造工程をサステナブルに

2020年環境省が実施した「ファッションと環境に関する調査」によると、1着の服を生産するに当たり必要な水は、約2,368リットル。

特に、製造工程の中で染色は多くの水が使用されます。

そこで、植物や野菜の天然成分を使った染色や原料自体に顔料を混ぜて着色する原着糸(無水染色)など、排水量を削減する取り組みが行われています。

さらに、染色工程で使用された一部の水は再利用されることもあり、水資源を節約し、排水処理の負荷軽減にもつながっています。

 

また、製造工程で排出される温室効果ガス(二酸化炭素など)も、地球温暖化に影響を与える重大な問題の1つです。

省エネなどの取り組みに限界がある場合、企業や個人がカーボンオフセットを採用することがあります。

カーボンオフセットとは、企業や個人が自らが排出する温室効果ガスの削減を、別の場所で同等の削減効果を求めて第三者に資金や技術を投資する取り組みです。

具体的には、森林保護や再生可能エネルギーなどに投資することで、炭素の吸収量を増やして温室効果ガスの排出量を相殺できます。

自然環境に与える負荷を軽減し、持続可能な社会の実現に貢献する取り組みは、このように間接的にも行われています。

▼出典元

https://www.env.go.jp/policy/pdf/st_fashion_and_environment_r2gaiyo.pdf

②リサイクルペットボトルを使用したポリエステルとは?

通常、ポリエステルは石油などの原料から作られます。

再生ポリエステルは、リサイクルペットボトルをチップ状に粉砕し、再利用されます。

そのため、新たに石油などの原料を使用する必要がなく、環境に優しい素材と言えるでしょう。

また、再生ポリエステルであっても、繊維強度が高く、耐久性があり、軽量で速乾性に優れ、汚れがつきにくいという、素材の特性は一般的なポリエステルと同じです。

これらの特性により、動きやすさや快適性が維持され、洗濯や乾燥にも耐えられる素材として、作業着などに広く使用されています。

③植物由来の原料を使用したポリエステルとは?

植物由来のポリエステルは、石油などの化石燃料を主原料としない、植物由来の原料を使用して作られたポリエステルです。

代表的な原料としては、サトウキビやコーンスターチなどが挙げられます。

これらは、廃棄予定であった植物成分から採取されるため、新たに石油などの化学燃料を採掘しない、地球環境にやさしい素材として注目されています。

エコマークの基準にも適合する商品が多くあり、環境問題に取り組んでいる企業にとっても魅力的な商品の1つです。

④使用後の作業着の処理方法の種類は?

作業着は汚れや傷みも生じることが多く、リサイクルはできないのでは?と考える方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。

ただ廃棄するのではなくリサイクルを行い、環境保護や資源の有効利用につなげることは可能です。

作業着のリサイクル方法には、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルなどがあります。

マテリアルリサイクルは、使用済みの製品を回収し、その材料を再び新しい製品に使用する方法です。

例えば、使用済み作業着を裁断・加工して、繊維や布地に再利用することができます。

一方、ケミカルリサイクルは、使用済み製品を原料成分まで戻して再利用する方法です。

これは、高度な技術と設備を必要とする場合がありますが、限りある資源を守る効果的な方法として取り入れられています。

この他にも燃焼時の熱源を利用するサーマルリサイクルなど、リサイクル方法はさまざまです。

作業着の購入時にはどのような廃棄方法が適切なのかを理解しておくと、資源の有効活用につなげられます。

まとめ

ユニフォームでできるサステナブルな取り組みは、環境に配慮された製造方法や適切な破棄方法以外にも、着用者の快適性も重要なポイントです。

リサイクル素材を使用した作業着でも通気性や防風性などの性能は劣ることなく、従来の素材と同等の機能を持たせることが可能です。

さらに、作業着の耐久性や洗濯に対する耐性を高めることで長期間使用できるように品質にもこだわりが見られます。

これらの取り組みにより、企業と着用者の双方にとってメリットがあるサステナブルな作業着が実現されています。